生活に収まる週3時間の勉強スケジュール

週3時間は推奨量ではなく設計例です。今の生活を先に置き、残った時間から無理のない1週間を組み立てます。

仕事と休息を先に入れた週間カレンダーに、無理のない勉強時間と忙しい週の縮小案が書き込まれている。

こんな思いを抱えている方へ

毎日1時間などの勉強計画を立てても、仕事、家事、休息、残業で崩れやすい社会人。

この記事で考えられること

実際に空いている時間から1週間の勉強予定を作り、忙しい週に切り替える縮小版も用意できるようになる。

日曜には無理なく見えたのに、水曜には崩れていませんか?

日曜の夜、翌週の予定はいつもより整って見えることがあります。

月曜:1時間勉強
火曜:1時間勉強
水曜:1時間勉強

ところが、月曜は予定より夕食が遅くなり、火曜には残業が入ります。水曜の夜には、もう「遅れを取り戻さないと」と考え始めています。

問題は、勉強したいという目標そのものではないかもしれません。

「今週、何時間勉強したいか」から予定を作り始めていて、「今週の生活に、実際どれだけ時間が残っているか」を後から合わせようとしていることが、崩れやすさにつながっている可能性があります。

そこで、問い方を変えてみます。

「今週に7回の勉強をどう押し込むか」ではなく、「仕事や生活の予定を先に置いたあと、勉強はどこに入るか」と考えます。

ここで使う「週3時間」は、あくまで記入例です。すべての人や講座、目標に適した推奨量ではありません。

まず、勉強より先に生活をカレンダーへ入れる

今週は、勉強に3時間ほど使いたいとします。

先に目標時間を均等に割るなら、

3時間 ÷ 平日5日 = 1日36分

となります。

計算は合っています。でも、火曜日の予定までその計算どおりとは限りません。

水曜は買い物の日かもしれません。金曜の夜は、ようやく休める時間かもしれません。平日の夜より、土曜の朝のほうが大きく空いていることもあります。

そこで、先に「すでに入っている予定」を置きます。

曜日すでにある予定勉強予定
月曜仕事、夕食、家事—
火曜仕事、夕食30分
水曜仕事、買い物—
木曜仕事、夕食45分
金曜仕事、休息—
土曜午前が空いている75分
日曜翌週の準備30分

勉強時間の合計:180分、つまり3時間です。

ここで変わった点を見てみます。

月曜は「勉強できなかった日」ではありません。金曜も「空いているのに使わなかった時間」ではありません。いちばん長い75分は、もともと余裕のある土曜に置かれています。

毎日を同じ形にしようとしなくなっています。

ここで役立つ区別は、「勉強したい量」と「今週の生活に入る量」は別だということです。

使える計画にするには、その両方を見る必要があります。

勉強時間ごとに、やることを一つ決める

「20:00〜20:45 勉強」とだけ書いても、20時になった時点でもう一つ判断が残っています。

何を勉強するのでしょうか。

講座の続きを見るのか。前回のノートを見直すのか。問題を解くのか。分からなかった箇所へ戻るのか。

平日の夜に取れた45分では、その判断だけでも時間を使います。

そこで、同じ3時間の予定に、あらかじめ役割を持たせます。

時間やること
火曜 30分前回の内容を見直し、まだ分からない点を確認する
木曜 45分新しい範囲を一つ学ぶ
土曜 75分中心となる講義や実践課題を進める
日曜 30分まず要点を思い出し、そのあと抜けていた部分を確認する

こうすると、30分の枠に75分の枠と同じ仕事をさせる必要がありません。

短い時間は、前回とのつながりを取り戻すために使えます。長い時間は、まとまった集中が必要な内容に回せます。

覚えておきたい内容では、資料をすぐ見返す前に、まず思い出してみる「想起練習」も復習方法の一つです。Karpicke & Blunt(2011)は、大学生が科学分野の文章を学ぶ2つの実験で、実験条件下では、精緻化したコンセプトマッピングよりも想起練習のほうが遅延テストの成績が高かったと報告しています。これは、想起練習が復習方法の一つになり得ることを支持する結果ですが、すべての科目や学習者に同じ方法が必要だという意味ではありません。 Karpicke & Blunt (2011), Science

ここで大切なのは、学習法を一つに決めることではありません。

勉強を始める前に、その時間で何をするかを決めておくことです。

残業してから削るのではなく、先に「残業週」を作っておく

今度は、火曜日に予定外の仕事が入ったとします。

帰宅が遅くなり、予定していた30分の勉強ができません。

3時間を「今週必ず返さなければならない時間」と考えると、その30分はどこかへ移す必要があります。木曜を長くする。木曜も忙しくなれば、さらに土曜へ移す。気づけば、土曜に予定していなかった勉強時間が積み上がります。

そこで、最初から同じ週に2つの形を用意しておきます。

通常の週

曜日勉強
火曜30分
木曜45分
土曜75分
日曜30分
合計180分

残業が入った週

曜日勉強
火曜中止
木曜30分の復習
土曜60分のメイン学習
日曜30分の復習と、次に再開する場所の確認
合計120分

忙しい週は、勉強時間が減っています。

これは失敗ではありません。縮小版を作る目的そのものです。

3時間は設計例であって、日曜の夜までに必ず返済する「借り」ではありません。

ただし、ここには大切な限界があります。

たとえば、試験まで2週間しかなく、まだ多くの勉強時間が必要な場合。あるいは、講座の課題に固定の締切がある場合です。1週間の予定を小さくしても、必要な作業量そのものは消えません。

その場合、予定どうしの衝突がカレンダー上にはっきり見えるようになります。

勉強量を変えるのか。別の予定から時間を空けるのか。可能なら取り組む範囲を減らすのか。動かせる締切なら見直すのか。

現実的なスケジュールでも、存在しない時間を作ることはできません。

ただし、「このままでは時間が足りない」と早めに分かるようにはできます。

「通常の週」と「小さい週」の両方を持つ

使いやすい週間勉強計画は、3つの流れで考えられます。

まず、仕事、食事、家事、移動、休息、すでに決まっている予定を置きます。

次に、残った時間へ勉強を入れ、それぞれの時間に役割を持たせます。

最後に、予定より忙しくなったとき、何を残すかを決めます。

すると問いは、

「自分を何時間勉強させればいいか」

から、

「今週は、どんな学習なら現実的に入るか」

へ変わります。

3時間入る週もあれば、5時間入る週もあります。厳しい週なら、1時間しか入らないこともあります。

時間の多さだけでは、その計画が良いかどうかは判断できません。

カレンダーを見て、次の3つに答えられるかを確認してみてください。

  • いつ勉強するか
  • その時間に何をするか
  • 忙しくなったら、何を残すか

来週の予定を、見える形にする

次の1週間は、最初から大きく作らなくてかまいません。

  • まず、仕事、日常の用事、休息を置きます。
  • 本当に空いている時間だけに勉強を入れ、それぞれ一つの役割を決めます。
  • 通常版の横に、忙しい週の縮小版も作っておきます。

7日間すべてを予定どおり続ける必要はありません。

必要なのは、火曜日が予定どおりにいかなくても、まだ意味のある計画です。