今週に落とし込める自己成長計画のつくり方
漠然とした目標を、今週試す行動・現実的な時間・確認方法まで1枚にまとめます。
こんな思いを抱えている方へ
学習・仕事・日常を変えたい気持ちはあるものの、目標を今週の具体的な行動に落とし込めずにいる社会人。
この記事で考えられること
変えたい場面、試す行動、実行するタイミング、実行できたかを示す証拠を1枚に書き出せるようになります。
良い目標を書いたのに、いつもの1週間に戻っていませんか?
日曜の夜。
ノートやスマートフォンを開いて、こんな目標を書きます。
「英語力を上げる」
「仕事でもっと成長する」
「もっと運動する」
どれも本気で叶えたい目標かもしれません。
ところが月曜になると、メッセージが届き、仕事が長引き、夕食にも時間がかかります。木曜になっても目標は書いたままですが、予定表を見ても次に何をするのかは分かりません。
ここには見落としやすい違いがあります。目標は進みたい方向を示しますが、1週間の計画には「どんな場面で、何をするか」まで必要です。
「英語力を上げる」は、数か月先まで使える方向性です。でも、火曜の20時10分に何をするかまでは教えてくれません。
そこで、1枚の計画に次の4つを置きます。
- 変えたい場面を決めます。
- その場面で取りたい行動を決めます。
- 実際に使える時間に収めます。
- 試せたと分かる証拠を決めます。
これは未来の自分との契約ではありません。まず1週間、計画が現実に合うかを試すためのものです。
性格ではなく、変えたい場面から書く
たとえば、こう書いたとします。
もっと自分を律しないといけない。
では、明日から何が変わるでしょうか。
このままでは、具体的な行動が見えません。
次の書き方と比べてみます。
夕食後に勉強しようとパソコンを開くのに、つい別のページを見始めて、そのまま夜が終わってしまう。
こちらには、実際に起きる「場面」があります。
仕事でも同じです。
もっと自信を持ちたい。
と書く代わりに、
毎週のミーティングで質問が浮かんでも、聞かないまま終わることがある。
と書けます。
「自信がある人か、ない人か」を決める必要はありません。変えたい行動が起きる場面を特定できれば十分です。
1つ目の欄は、こうなります。
変えたい場面
どんな場面が繰り返されていて、そこで何を変えたいですか?
たとえば、
夕食後に勉強を始めようとしても、最初の20分を関係のない閲覧に使ってしまうことが多い。
ここまで具体的になると、「もっと集中する」よりも次の計画を立てやすくなります。
その場面で取る行動を、今週の時間に入れる
場面が見えたら、次の問いはもう少し狭くします。
その場面が来たとき、実際に何を変えますか?
勉強の例なら、こう書けます。
火曜と木曜の夕食後、関係のないページを開く前に、Excelの練習課題に20分取り組む。
これなら、場面と行動がつながっています。
心理学では、特定の状況とそこで取る行動をあらかじめ結びつける計画に関連して、実行意図(implementation intention)という考え方があります。
1997年の論文の研究2では、大学生がクリスマス休暇中に短いレポートを書く課題に参加しました。主要な完了分析に含まれた36人のうち、「いつ・どこで書くか」を具体的に決めた17人では12人が指定された期間内に完了し、対照群19人では6人でした。この研究は、少人数の大学生を対象に、特殊な1つの課題を調べたものです。そのため、この数字をあなた自身の計画の成功率として扱うことはできません。ただし、意図した行動を具体的な機会と結びつけることが、行動を始める助けになり得るという限定的な考えには、実験による裏づけがあります。(Gollwitzer & Brandstätter, 1997)
だからといって、すべての行動に正確な時刻を決める必要はありません。
勤務時間が日によって変わるなら、「19時」よりも、ある出来事をきっかけにしたほうが使いやすい場合があります。
たとえば、
昼食を終えたら、英単語カードを5枚見直す。
あるいは、
水曜のミーティング資料を開いたら、聞きたい質問を1つ書く。
大切なのは、理想どおりに過ごせたら使える時間と、今週、実際に使える時間を分けることです。
火曜に空けられる時間が普段20分ほどなら、2時間の勉強を予定しても、目標が本気になるわけではありません。火曜日の現実から離れた計画になります。
そこで、次の2つの欄はセットで考えます。
取りたい行動
何をすれば、「少し進んだ」と目で確認できますか?
実際に使える時間
いつ、どこで、または何をきっかけに実行できますか?
必要な知識がまだないなら、講座、本、アプリが役立つことはあります。ただし、教材を買うこと自体は自己成長の計画ではありません。「講座に申し込む」だけで終わらせず、何を学び、いつ使うのかまで決まって初めて、行動の計画になります。
「できた」と判断する証拠を先に決める
次に、金曜の夜を想像してみます。
その計画を試せたか、何を見れば判断できるでしょうか。
「前より自信がついた気がするか」は、1週間では判断しにくいものです。
それよりも、
水曜のミーティングで、準備した質問を実際に聞いたか。
のほうが確認しやすくなります。
学習でも同じです。
Excelが前より分かるようになった気がするか。
ではなく、
予定していた練習ファイルを2つ完成させて保存したか。
と確認できます。
後者だけでExcelを習得したとは言えません。分かるのは、もっと小さなことです。予定した行動を実際に試したか。 1週間の計画でまず確かめたいのは、そこです。
この違いは、結果が他人の反応にも左右されるときに特に役立ちます。
たとえば、会議でもっと発言したいとします。確認項目を、
自分の意見にみんなが良い反応をしたか。
にすると、自分の行動と他人の反応が混ざります。
代わりに、
発言する内容を1つ準備して、会議中に実際に伝えたか。
とすれば、自分が取った行動を確認できます。
相手の反応は、そのあとに振り返れば十分です。
1枚テンプレートは、次の形です。
| 変えたい場面 | 取りたい行動 | 実際に使える時間 | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| どんな場面を変えたいですか? | 何をすれば進んだと目で確認できますか? | いつ、どこで、または何をきっかけにできますか? | 試せたと分かる証拠は何ですか? |
| ______ | ______ | ______ | ______ |
記入すると、たとえばこうなります。
| 分野 | 変えたい場面 | 取りたい行動 | 実際に使える時間 | 確認方法 |
|---|---|---|---|---|
| 学習 | 夕食後に勉強しようとしても、別のページを見始めてしまう。 | 関係のない閲覧を始める前に、Excelの練習課題に20分取り組む。 | 火曜と木曜の夕食後。 | 週末までに練習ファイルが2つ保存されているか。 |
| 仕事 | ミーティングで質問が浮かんでも、聞かないまま終わることがある。 | 質問を1つ準備し、ミーティング中に聞く。 | 水曜のチームミーティングの5分前。 | 準備した質問を実際に聞いたか記録する。 |
| 日常生活 | 小さな家事を後回しにして、日曜の夜にたまってしまう。 | 部屋を15分だけ整える。 | 土曜の朝食後。 | 15分終えたら実行済みにする。 |
大切なのは、この計画が立派に見えることではありません。
週の終わりに、次の計画を決めるための情報が残ることです。
できなかったときは、自分より先に計画を見直す
火曜日になって、20分の練習課題ができなかったとします。
それだけでは、理由までは分かりません。
急ぎの仕事で帰宅が遅くなったのかもしれません。「夕食後」というタイミングが実際には合わなかったのかもしれません。20分の時間は取れたものの、何から始めるかが曖昧だったのかもしれません。
振り返るときは、この違いを分けます。
時間が現実的でなかったなら、時間を変えます。
行動が大きすぎたなら、小さくします。
予定した場面までは何度も来ているのに始められなかったなら、別の問題が見えてきます。時間を決めるだけでは、その障害は解決しない可能性があります。
ここが、この1枚テンプレートの限界でもあります。病気、介護、予測しにくい勤務、強い疲労、必要な技能の不足、自分では変えられない事情まで、この計画だけで取り除くことはできません。また、行動を書いたからといって、必ず実行できるわけでもありません。
この1枚の役割は、もっと小さなものです。次の試みを、何が起きたか分かるほど具体的にすること。そして、その結果を見て修正できるようにすることです。
1枚で、目標と今週をつなぐ
4つの欄には、それぞれ違う役割があります。
場面で、どこを変えたいのかが分かります。
行動で、漠然とした目標が目に見える動きになります。
時間で、その行動を今週の現実の中に置けます。
確認方法で、来週も続けるのか、変えるのかを判断する材料が残ります。
だから、「今週2回勉強する」だけではまだ不十分です。行動はありますが、いつ始めるかが曖昧です。
「火曜の20時」だけでも不十分です。時間はありますが、何をするかがありません。
「プレゼンが上手くなる」なら方向はありますが、今週何を試すかは分かりません。
1枚の紙で、自分の変化すべてを計画する必要はありません。
次の一歩が見えるだけの具体性があれば十分です。
今週の小さな計画
まずは、次の一文にしてみます。
今週は、[変えたい場面] を変えてみます。[時間・場面] が来たら、[行動] をします。[目で確認できる証拠] があれば、試せたと判断します。
予定どおりにいかない週があっても、この1枚が無駄になるわけではありません。次に何を変えるかを考えるための、具体的な材料が残ります。
自己成長の計画で、将来の自分をすべて決める必要はありません。
今は、次に何を試すかが見えていれば十分です。
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